バランス、上品さ、そして複雑さの飽くなき追求

スティーブ・ジェームズ
スティーブ・ジェームズ
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ボイジャー・エステート
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2018-12-28

ボイジャー・エステートのワイン醸造・ブドウ栽培における責任者スティーブ・ジェームズ(Steve James)は来年で勤続20年という節目の年を迎える。伝統を守り続け、ワイン醸造・ブドウ栽培チームの緊密な協力によって熟練した味わいのワイン造りを実現した。スティーブのワイン哲学は土壌から始まる。当初からスティーブは醸造チームと協力して、持続可能な農場経営、ブドウ種の割合、クローンの選定、ブドウ畑の管理に着目してきた。特にブドウの種類や特徴ごとに区分することで、ブドウがより輝きを増し熟すことに繋がった。

「土壌を管理し、それを継続することが重要だ。素晴らしいワインとはつまり素晴らしい土壌のことだ。ワインの味は土壌から導かれる。人の手で全てをコントロールしようとしないこと。除草剤で雑草を処理することは極めて簡単なことだ。だが広い視野を持って、異なる管理方法に着手すれば、大変さよりも楽しさの方が勝る。だからこそ、土壌の健康管理とバクテリアや真菌が生きる栄養に富んだ土壌を築き上げることは、素晴らしいワインを造ることに繋がる。」とスティーブンは語る。

また彼は「石灰岩や砂利を多く含んだ粘土質の土壌は、洗練された味わいのブドウを作り、高品質なワインを造ることに繋がると確信している。これらの土壌は水捌けに優れているにもかかわらず、冬場の長期に渡る雨をしっかりと蓄えて、ブドウの成長期間にゆっくりと水分を供給する。適度な海洋性気候と海から来る冷涼な風の影響が相まって、高品質なワインが造られる。特にシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンの生産には絶好の環境だ。」と語った。

スティーブのリーダーシップにより、私たちは長年に渡って持続可能なブドウへのアプローチを実践することができた。天然由来の製品を使用したり、益虫や緑肥などといった生態系の多様性を確保することで健全な土壌を造り、健康で回復力のある畑作りに注力している。その結果として果実は自然界の病気に対して抗体を持ち、風味や複雑さそして伸びやかな味わいが追加される。

スティーブはボイジャー・エステートがオーガニックへ移行する原動力だ。スティーブは2006年にヴィティカルチャル・エクセレンス・アワード(Viticultural Excellence Award)を受賞し、マーガレットリバー・ワイン協会から、持続可能なブドウ作りと高品質のブドウ生産への貢献を認められた。2018年2月、40ヘクタールのブドウ畑を今後3年間ですべて有機栽培に切り替えると発表した。 つまり、これは2023年までに私たちのすべてのブドウ畑とワインが豪州オーガニック認定を受けるということを意味する。

私たちの細心の気遣いはワイン畑にとどまらず、醸造所にも引き継がれる。丁寧な醸造技術によりワインは純粋に土壌を感じさせるものとなる。これらの技術は、ボイジャー・エステートの醸造哲学の核心として20年以上も引き継がれている。これこそ、バランスと優雅さ繊細さを兼ね備え、特徴豊かで、南マーガレットリバーの独特な土壌を感じさせるワインを造る、という評判を得ることができている理由だ。

41 Stevens Rd, マーガレットリバー, 西オーストラリア州, オーストラリア