ワイン醸造の明日を見据える者

ロドニー・ケンプ
ロドニー・ケンプ
×
レイクス・フォリー
|
2019-01-17

ロドニー・ケンプは才能があり、若いながらも経験豊富なハンターバレーのワイン醸造家であった。彼の手によって、豪州のワイン醸造所レイク・フォリーは目覚ましく成長の一途をたどっている。2000年にロドニーは醸造所に入所、同年にパースを拠点とするビジネスマン、ピーター・フォガティによってレイクス・フォリーは買収された。フォガティは、多くの若いワイン醸造家達がレイク・フォリーに強い憧れを抱いていることを知っていたが、可能であれば、ハンターバレー での経験を持ち、ワイン造りに強い情熱を持つ者こそ適任だと心に決めていた。ケンプは自分の職業に強いプライドを持ち、条件を見て仕事を行うような人物ではない。

ロドニー・ケンプは、レイク・フォリーの大きな再開発を目指すというよりは、製法の細かい微調整に精を費やした。ブドウ園では、除草剤の使用を完全に止め、代わりに雑草を抑えるためにブドウの下で栽培することにした。またブドウ園の通気性を高め、厳重に管理することで、ブドウの根がより多くの栄養を吸収できるようにした。そしてケンプは殺虫剤を使用するよりも、割れたガラスを使って、ブドウ園の健全な生態系を維持してくれるモリアオガエルを育てることを好んだ。

しかし、なぜレイク・フォリーで算出される酸の調整量が他のハンター・バレーのブドウ園よりもずっと低い数値が出るのか(通常シャルドネの場合は1リットルあたり0.5グラム、赤ワインは0.5から1グラムなのであるが)に関しては彼でさえもはっきりとは分かっていない。

ケンプは、シャルドネのマロラクティック発酵を防ぐレイク・フォリー独自の製法と伝統を維持しているが、創始者ステファン・レイクのワイン造りからはいくつか変更を施した。まず第一に、赤ワインの熟成期間を従来のような長期に及ぶ方法から短期の熟成に変更した。これにより、ワイン造りによる微生物腐敗の可能性を大幅に減らし、比較的きれいで微生物の安定したワインで起こるマロラクチック発酵の過程をより正確にコントロールすることに成功したのである。

ケンプは、新鮮さと鮮やかさを保持するため、赤ワインは3〜4ヶ月の熟成期間を設けるのを好んだ。一方で、ステファン・レイクは、赤ワインを12〜14ヶ月もの間、ちっとも動かさずに寝かせておくのが主流と、極めて対称的であった。しかしながらステファン・レイクが近年のマスタープランとして採用されていたブレンドにプチヴェルトを導入する製法は、果実の甘さと味の深さだけでなく色の明るさや香り、スパイスの向上に貢献したことは確かである。2001年のビンテージには60種類のカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズ、メルローがそれぞれ10種類ずつ加えられ、20種類のプチヴェルトが加えられた。

ロドニー・ケンプは非常に謙虚で実直な運営者であり、現状に満足することなく常に向上心を失わずレイク・フォリーの明日を見据える人物であるということは間違いない。

レイクス・フォリー

2416 Broke Road,ポコルビン,ニューサウスウェールズ州,オーストラリア