キャセグレイン(Cassegrain)・ワインの軌跡と未来

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キャセグレイン・ワインズ
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2019-06-20

 ポート・マッコーリーは、シドニーから北へ約400kmのところにある海沿いの小さな町です。かつてこの地は、囚人の流刑地としてオーストラリアでも最初に開拓された場所の一つでした。ヘイスティング・リヴァーのワイン造りは1837年に始まり、かつては33ものワイナリーが点在していました。が、徐々に衰退の一途をたどり、20世紀初めには完全に停滞した状態でした。この地でワイン造りを60年ぶりに見事復活させたのは、キャセグレイン・ワインズのオーナーであり、最高醸造責任者であるジョン・キャセグレインです。

 ジョンの家族は、1950年代にフランスから新天地を求めてオーストラリアの地を踏みました。キャセグレイン家は、実は4世紀以上にもわたってフランスでワインやコニャック造りに携わってきた名家でした。ジョンの母、フランソワーズ・ド・ソラーレ伯爵夫人は、北イタリアのピエモンテで10世紀にまで遡るほど由緒あるワイン造りの家系の出身であり、1803年にブルゴーニュに移住する以前までは、ピエモンテにもワイナリーをいくつか所有していたほどでした。十代のうちから親類を訪れ、ワイン造りの現場を何度も訪れていたジョンは、自然とワイン造りに強い関心を持つようになっていました。

 1974年、ジョンはハンター・ヴァレーの歴史あるティレルズ・ワインにてセラーハンドとしてキャリアをスタートさせ、最終的には同社の醸造コンサルティングを行うほどにまでになります。この間、ジョンはヘイスティング・リヴァーに家族が所有する土地のワイン用ブドウのポテンシャルを見出し、同時にニュー・サウス・ウェールズ州の他の産地の調査を始めます。

 1978年、ジョンはワイン醸造学の名門であるローズワーシー大学を卒業した後、更なる経験を求めてブルゴーニュに渡り、リュリーにあるドメーヌ、ラ・フォリーヌにて1年間ワイン造りに携わります。

 そして1980年、ジョンは気候や土壌のさらなる研究を重ねたのちに、ようやく記念すべき最初のブドウ畑をヘイスティング・リバーのチェーン・オブ・ポンズに植えたのでした。キャセグレン・ワインズの誕生です。

 ワイン造りにおいて、ジョンはフランスの伝統的なワイン造りとオーストラリアの新しい技術を融合し、卓越したワインを生み出してきました。ジョンのワイン造りへの信念と情熱は、後継者として現在指揮を執る息子のアレックスが受け継いでいます。父同様に、アレックスもまた大変な努力家で、家族の伝統を理解し、細部にまで徹底したワイン造りを行います。アレックスが造るワインは、数々の賞を受賞し、年々競争が激しくなるワイン業界での商品開発や、海外への輸出、国内販売事業の拡大を進めています。フランスでもワイン造りと樽造りの経験を積みワインについてさまざまな提案を父子で分かち合いながら、より一層の品質向上に努めています。

キャセグレイン

10 Winery Drive, Port Macquarie, NSW 2444