ハンターバレーで単一畑のセミヨンとシラーズにこだわる

アンドリュー・トーマス
アンドリュー・トーマス
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トーマス・ワインズ
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2018-06-28

私の生い立ちを考えると、ワイン造りを仕事にするのはごく自然な流れだった。最初に影響を受けた人物は、私が生まれ育ったマクラレーン・ベール(McLaren Vale)でワイン造りをしていた父ウェイン・トーマスだ。

私は南オーストラリア州でのワイン造りを継ぐべく育てられたにもかかわらず、ワイン造りを学ぶにつれ、より精巧で繊細な味わいを醸し出すハンターバレー(Hunter Valley)のワインに強く惹きつけられていった。

ローズワーシー農業大学でワイン醸造の学位を取得した後、老舗のワイン醸造社ティレルズ(Tyrrell's Wines)でワイン造りの旅が始まった。伝説的な醸造家マレー・ティレルの元で13年間修行する間、私はハンターバレーの代表的な品種、セミヨンとシラーズに魅了され深く学ぶことになる。

実を言うと、ワイン造りの知識と経験を身につけたいという私の欲望は、ソノマやトスカーナ、ピエモンテ、プロヴァンスといった産地のワインを目の当たりにしたことで、冷静になっていった。それでも、世界で認められる自分の名前がついたワインを造りたいという気持ちは強くなる一方だった。そこで独立することにした。

1997年、トーマスワインズはハンターバレーにおいて単一畑のセミヨンとシラーズに特化するという明確な方針の元に設立された。長年に渡り、私は地元農家と密に協力的な提携を結んできた。彼らはハンターバレーでも指折りのブドウ園を所有・運営してしており、世界で認められる独自の産地色を生み出している。そこで造られるワインには、ブドウ園の特色を存分に感じられる唯一無二の味わいがある。

妥協しない、徹底的にこだわるという私のワイン造りに対する信念もあるが、それでも品質の9割はブドウ園で決まると言える。良いワインを造る鍵は、葡萄本来の品質をそのままワインボトルまで維持するという「シンプルなこと」だ。

下記のような紹介を頂けると本当に有り難く思う。(かつ恐縮する)

トーマスワインズはここ10年ほど、数多くの賞や批評家の称賛を得ている。アンドリュー(トーモ)トーマスは2014年度のハンターバレー最優秀ワインメーカーを受賞した。2008年に同賞をすでに受賞していたが、あらためてトーモのワイン造りに対する卓越した探究心とハンターバレーワインに対する貢献度が彼の仲間達によって評価された。彼の代表作というべきキッス・シラーズとブラエモア・セミヨンは最も優れたワインとして知られ、その多くは近年のハンターバレーワインのベンチマークとされている。これは小規模なワインメーカーとしては目覚ましい功績で、トーモの変わらないこだわりの姿勢とワイン造りのプロセスに関わり続ける情熱が、結果として数多くの賞につながり、ハンターバレーワインメーカーの第一人者と呼ばれるまでになった。

さて私の話に戻るが、結局のところ、私はワイン造りが純粋に好きなんだと思う……

ワイン以外で私の好きなものは、もちろん自慢の4人の息子達、シドニースワンズ、ラム酒、パイナップルとトップデックチョコレートだ。

トーマス・ワインズ

In Estate Tuscany, Corner Hermitage Rd & Mistletoe Lane,ポコルビン,ニューサウスウェールズ州,オーストラリア