皆さんこんにちは、
メルボルン郊外モーニントン在住の林亜里紗(はやしありさ)です。
モーニントン半島にあるテン・ミニッツ・バイ・トラクター(Ten Minutes by Tractor)ワイナリーでブドウ栽培家として働いています。
先ずは、簡単な自己紹介からはじめます。
私は、父の仕事の関係でシンガポールで生まれ、その後日本に帰国し、横浜で小学校2年生まで住んだ後、アメリカに移りました。そこで子供時代の大半を過ごしました。この人生経験を通じて、私は日本人でありながら、英語環境でバイリンガルとして成長する機会に運よく恵まれました。
カリフォルニア州サンディエゴの高等学校を卒業し、カリフォルニア大学デイビス校に入学しました。最初の2年間は、言語学(ドイツ語専攻)を学びました。ただ、この言語学を自分の将来のキャリアパスとして目指していくことに迷いが生じてきました。その時カリフォルニア大学デイビス校が、ブドウ栽培やワイン醸造に関して全米屈指、いや世界的な権威であることを知り、大変興味がわいてきました。悩んだ末、ドイツ文学とブドウ栽培学/ワイン醸造学という全く異なる二つの分野を専攻することにしました。両方の単位をとるのは、結構ハードで大変むずかしい選択でしたが、ダブルメジャーにあえてチャレンジすることにしました。
大学時代、二つの専門を活かせるドイツのケラー醸造所(Weingut Keller)で夏期インターンシップを行いました。それは人生を変える貴重な経験でした。ケラー家は世界でも最高級のリースリングワインの1つを作っています。そのブドウ栽培品質の高さとワイン醸造技術のすばらしさは、今日までの私のブドウ栽培への取り組みに大きな影響を与えました。この経験は、ブドウ栽培家として最高品質のブドウ栽培を可能にするために必要なあらゆる知識や技術のベースとなりました。
卒業後、私はオーストリアのヴァッハウ(Wachau)地域にあるエフ・エックス・ピヒラー(Weingut F.X Pichler)ワイナリーで働きました。オーストリア最大のワイナリーであり、オーストリアのライスリンとグルーナーヴェルトライナーの最高級ワインを作っています。
ドイツとオーストリアでのブドウ栽培とワイン醸造を経験した後、オーストラリアのモーニントン半島にあるテン・ミニッツ・バイ・トラクター(Ten Minutes by Tractor)ワイナリーで、ブドウ栽培家として働く機会を得ました。
モーニントン半島は、メルボルンから約1時間南に位置する小さな涼しい気候のワイン地域です。この地域はピノ・ノワールとシャルドネで知られており、高品質のワイン生産に焦点を当てた小さなブティックワイナリーもあります。手作業ではなく、マシンでの作業が多いワイナリーもあります(例:ブドウ摘み、せんてい)。
私はテン・ミニッツ・バイ・トラクター (Ten Minutes by Tractor) という家族ワイナリーの小さなチームで働いています。「トラクターで10分」というユニークな名前は、このワイナリーの所有するブドウ畑の各区画が、トラクターで10分の距離にあったことに由来しているとか。
私は、60ヘクタール以上のブドウ園を管理し、ブドウ栽培コンサルタントを務めています。私の日々の仕事は、大きく異なり、その仕事の多様性と変動性の大きさを本当に楽しんでいます。自然とその季節変化を日々感じ取ることができます。
このブログでは、ブドウ栽培家として季節を通してのスナップショットを共有したいと考えています。多くの人がブドウ栽培に精通しているわけではありませんので、私はこの分野をできるだけわかりやすく、皆さんにご紹介したいと考えています。
メルボルン郊外在住。ブドウ栽培家(ビティカルチャリスト)としてモーニントン半島の醸造所テン・ミニッツ・バイ・トラクターで働く。この醸造所が所有するブドウ畑の各区画が、トラクターで10分の距離にあったことが醸造所の名前の由来となっているが、彼女のこれまでの経歴はブドウ畑につくまでには語りきれない。